風通しの良い間取りを考える為に

家,風通し

 

窓を開けたのに全然風入ってこないね??という経験はありませんか?逆に、ここの窓開けると凄い風が抜けるねーっという経験がないでしょうか?

 

ありますよね?そうですみんなあるのです。ただどうしてそうなるのか、分かっているようで分かっていないのがこの窓の計画です。

 

家の風通しを考える場合に最も重要な点は実は窓の計画になってきます。分かってるって?まあまあ、実は結構知らない事あるはずですよ。

 

この窓の計画をないがしろにしては良い風の計画が出来ないので、ここでは風通しを良くする為のポイントをお伝えしていきます

 


風の性質を理解してどのような窓配置が良いかを知る

1.平面的な窓の計画

家,風通し

入り口の窓の大きさ=出口の窓の大きさの場合

均一に風がながれていきます。リビング、ダイニングなど大きな窓を設ける部屋に適している窓と言えます。出入り口どちらにも大きな窓を採用する事で心地よい風が十分に取り入れる事ができそうです。

 

 

入り口の窓が小さく出口の窓が大きな場合

入ってきたとき風速が早く出口付近で遅くなるってきます。玄関やホールなどに適した計画です。小さな窓であれば防犯上も有効です。

 

 

入り口の窓が大きく出口の窓が小さな場合

入ってくる風のスピードは遅く、出口付近で早くなっていきます。風の強さや、量を調整したい部屋に適している計画です。

 

トイレや洗面脱衣所などでリビングやダイニングなど他の部屋から入ってきた風を通り抜かす部屋に適しています。小さな部屋であれば匂いや、湿気を一気に取り除いて換気できてしまいます。

 

2.立体的な窓の計画

家,風通し

外に開く窓を利用する

通常は窓に向かってくる風しか入れる事ができませんが、窓に向かってこなくても平行に流れている風を捕まえて部屋の中に取り入ることができる窓があります。

 

外側にドアのように開く窓(縦滑り窓)を使うことで風を捕まえる事ができ、風通しがグッと良くなります。大きな窓はつける事ができないけど風通しは良くしたい部屋に適しています。

 

 

屋根面や吹き抜けの窓を利用する

上部の空気は暖かく、下部の空気は冷たいので下から入った空気は上に向かって抜けていく性質があります(温度差換気)。

 

これを利用する事で風通しが非常に良くなります。部屋の二面に窓が取れない家の場合は屋根面からトップライト(天窓)を使っての換気を考えて見るのも良いかもしれません。

 

 

家,風通し

一面に設けた窓を利用する

壁一面にしか窓を取れない場合でも風通しを良くする方法があります。温度差換気を利用しての下から入れて上から抜けていくように壁の一面で完結させます。

 

重要なことは風の入り口と出口をつくってあげることです。上部と下部にそれぞれ窓を設けてよても良いですが、両上げ下げ窓という窓があり一つの窓で上下が解放できるすぐれ物があります。

 

3方向を部屋で囲まれていて、一面にしか窓を設ける事ができないときは両上げ下げ窓をを検討してみましょう。

 

 

通風室内建具を利用する

家全体を計画的に換気する場合、どうしても間に部屋が存在するのでドアしめた状態では部屋単体は換気ができても家全体を換気する事は難しくなります。

 

しかし通風建具というドアがありしめたままでも風を通すことができる建具(ドア)があります。こちらを通り抜けをさせたい窓がある子供部屋や、寝室、納戸などに設置することで家全体の換気をする事が可能になります。

 

ただし通風建具は風が通る分隙間が意図的に造ってあるドアなので部屋内部の音が漏れやすかったり、気配が伝わりやすかったりとプライバシーの観点から考えるとデメリットもあります。

 

 

3.風向きを考慮する

日本の風向きは季節によって主たる風向きが変わることはご存じでしょうか?感覚的にも分かる人も多いことでしょうが、夏は風は南西から風が吹いてきます。また逆に冬は北東から風が吹いてくるのです。

 

 

(気づいていたけど、その理由までは知らない方が多いはずなので、ここで解説しておき置きます。チョット地理と理科的な内容も含まれているので眠たくなった方は飛ばして下さい。)

 

 

天気予報でも夏場はよく「南からの湿った風が・・・」、冬場は「北からの冷たい風が・・」と言ったワードを耳にしたことがあるはずです。これは簡単に説明すると夏場は大陸(中国、ロシア方面)が太陽で海よりも高温になり上昇気流が起こり低気圧が発生します。

 

このため低気圧に向かって風が流れ込んでいくためその途中にある日本では南西から風が吹き込んで来るのです。

 

逆に冬場は海よりも大陸側が冷たく冷やされ高気圧が発生します。この高気圧から冷たい空気が外側に向かって流れて行くため日本では北東からの冷たい風となって届きます。

 

風通しを考えると南側の窓を大きくとり風を取り込むのは理にかなっているのです。また風を取り込むように縦滑りだし窓を南の風を迎え入れるように設置するとより効果的と言うことが分かります。

 

一般的には上記のような風向きになりますが、周辺に山がある場合や、海が近い場合などはこの限りではありません。地域にあった風向きを考慮して窓の設計をされると良いでしょう。

 

4.換気扇を使った換気

窓だけでの換気が十分できない場合は、換気扇を使った換気を考えて見ましょう。キッチンと浴室には必ず換気扇が取り付けてあります。

 

こちらの換気扇は商品によりピンキリではありますが、キッチンの換気扇はおおむね150m3/h〜600m3/hの換気量を持っています。弱運転〜強運転まで切り替えができる物も多いです。この150m3/h〜600m3/hの換気量がどれ程の物かというと

 

LDKが仮に20帖(33u)だとするとLDKの気積は天井高を2.4mとした場合2.4m×33u=79.2m3となります。

 

換気扇を最大にして運転(600m3/h)したら約8分で部屋の空気が全部入れ替わる計算になります。

 

窓を開けておけばかなり換気ができる事になりますので一時的に沢山換気をしたいけど、窓が効率的に設置できない部屋では換気扇の設置を考えておきましょう。

 

LDKではなく他の居室の場合では換気ができるように個別の換気扇を設置する必要があります。(風通しの間取り、経路次第ですが)

 

5.家全体を見たときの計画換気の例

家,風通し

家,風通し

 

家の風通しは窓の設計と建物の配置に大きな影響を受ける内容です。

 

建物の配置に関してはあまり隣接建物に窓が近くては、いくら窓があっても風が通らないのは当然の事でしょうが、風通しを考えると基本的には隣接建物とは最低でも3〜4m程度は離れして窓の設置をしたいところです。

 

都市部ではなかなか3m程度離すなど難しいケースもあるでしょう。その場合はあえてビル風など建物と建物の間を抜ける風を捕まえるような窓を設置するなど、隣接建物と近い事をあえて利用する方法も考えられます。

 

まずは一般的な設計では窓の配置は部屋に対して2面に窓をが設置できれば風の通り道ができ風通しが良くなります。

 

あえて説明する事ではない様ですが、一番効率が良いのは西面と東面、北面と南面等、部屋の対角に窓が設置できる場合。続いて南面と西面、北面と西面等2方向設置の場合です。

 

しつこいようですが、風は入り口と出口をつくってあげる事で流れていくのです。入口と出口が兼用(窓が1方向にのみ設置)では効率が落ちてしまいますのでできるだけ2面に窓が設置できると良いのです。

 

さらにこれに立体的な窓の計画を加えていくことでさらに通風できる家になってきます。

 

 

@窓の高低差を利用する方法(温度差換気)

家,風通し
暖かい空気は上にたまり、冷たい空気は下に溜まる性質を持っています。これを利用した換気方法が温度差換気です。これに合うように窓の設計をすると効率よく換気ができると言うわけです。

 

つまり上に方に設置した窓からは暖まった空気が出ていき、下の方に設置した窓からは外からの冷たい(夏場であれば暖まってないと言った表現の方が正しいでしょうが・・)が入る仕組みになります。

 

A縦すべり窓を採用する

家,風通し
家,風通し
あまり知られていませんが、窓単体でも風通しを良くする事が出来る窓があります。外に開く窓として最も効果的な窓が縦すべり窓です

 

通常引き違いは窓や上げ下げ窓などスライドするタイプの窓に対しては正面の風がなければ、室内に風を取り込むことはできません。

 

所がこの縦すべりは開けていれば窓に対して正面の風はもちろん、直角方向に流れている風を受け止めて室内に入れてくれる機能を持っている窓なのです。

 

この窓こそビル風など建物と建物の間を流れる風を受け止めて室内に入れてくれる窓になります。

 

この窓を利用すれば窓が一面にしか設置できない場合でも風を室内にとりいれて換気ができるので、2面に設置できない場合や隣接建物との距離が取れない場合などは縦すべり窓を積極的に計画してみると良いでしょう。

 

間取りのポイント窓計画のポイント!!

@風通しの基本は隣接建物とある程度の距離をとり、2方向に窓を設置する。
Aさらに良くする方法として温度差換気や縦すべり窓を検討する。
B地域性を考慮した主な風向きの検討をする。

【プロ必見】見せた瞬間ファン化させ、契約率を20%UPさせる