住宅の営業マンと建築士の作る間取りの違い

営業マンは設計のプロではない、建築士は営業のプロではない

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ハウスメーカーが提案する間取りには二種類あります。1つは営業マンが自分で考えて提案する間取り、もう1つは設計が最初の提案段階から入って設計が作成する間取りです。やはりそれぞれのケースで間取りについて特徴が出てきます。

 

その違いは何でしょうか?営業マンの書く間取りが悪い訳ではありませんが、個人的な意見を言えば「良い間取りとも言いがたい」と言うのが結論です。今回はなぜそう言えるのか、その特徴と背景についてお伝えします。

 

 

 

営業マンが作る間取りの傾向

ハウスメーカーが提案する間取りはメーカーによるのですが、営業マンがファーストプランを作っているケースが多いのです。営業マンは勿論家づくりに関して言えばプロに違いありませんが、設計に関して言えばプロではありません。

 

毎日図面を引いている訳でもありませんし、設計に関して言えば専門家ではありませんのでやはり知識や経験が豊富にあるとは言い難いです。

 

その結果どういうファーストプランが出てくるかと言うと、当たり障りのない良くあるプランが出てくる可能性が高くなります。それはなぜでしようか?

 

あまり難しくプランニングをして、構造的、法律的に成り立たなくなってしまってはマズイですし、複雑なプランではコストも上がるので基本的には保守的なプランになりがちです。

 

またお客様に間取りに関してダメ出しをされる事も気にします。その為、よく言えばツッコミどころのない普通の間取りで、悪く言えば工夫の少ない面白味のない間取りになってしまいます。

 

チャレンジ精神旺盛な営業マンであれば、商談の度に色々な間取りを提案して良くも悪くもお客様の反応を感じているので、提案のバリエーションが豊富です。

 

しかしこのような営業マンはやはり稀です。大多数が間取りの提案に関しては保守的で、その結果新しい間取りの提案に関して言えばバリエーションがなかなか増えないというサイクルになってしまっています。

 

ですので、営業マンが書いた間取りで良いものが出てくればそれは凄い事だと思います。

 

設計士が書く間取り

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設計士と営業マンとの一番の違いは、図面を見ている、書いている量が圧倒的に違います。
毎日のように様々な図面を扱い、構造的な視点、法規的な視点、デザイン的な視点などいろいろな要素から間取りを見て書いています。

 

構造的に成り立つか、法規的に成り立つかなどが分かっているからこそ、間取りもワンパターンにならずに要望に合わせて提案が可能になるのです。

 

ハウスメーカーの設計部門によって間取りだけを書く設計、申請事だけをする設計など分業をしているメーカーもありますし、打ち合わせのスタイルも違いますので会社にのよっても設計部門の良し悪しにも差が出てきます。

 

間取りも書いて、申請事もこなし、お客様と打ち合わせもして…とオールマイティにこなす設計部門は総合的に住宅設計について理解をしているので良い提案をしている場合が多いのです。

 

個人的な競合を経験しての意見になりますが、やはり住友林業、積水ハウスの提案してくる間取り、設計図面などの提案資料はよく出来ていると感じます。完成度が高い提案と言えます。

 

経験値の重要性

間取りの提案に際して、担当者の経験値はどれくらい重要になってくるでしょうか?

 

答えは提案の最初の段階では難しい案件であればあるほど経験値が必要です。

 

また打ち合わせ段階ではどれだけ小さく簡単そうな間取り、物件でも最終的な設計の良し悪しは経験値がモノを言います。しかし経験値豊富な設計士が図面を書いても、新人の設計士が図面を書いても同じような間取りの提案になる場合があります。

 

それは一般的な平坦な造成地で、道路が西側のみで予算もある程度限られていて…と言う条件がかなりの絞り込まれている場合です。このケースの時は最初の提案段階でその経験値による間取りの良し悪しに差が出て来にくいです。

 

しかしその後の打ち合わせの段階で経験値の差が明らかに出てきます。それは設計士からの細やかな生活に関わる提案、例えば適正な収納スペース、家事動線や生活動線、窓の位置や大きさ、日当たりから風通し、外部から視線のコントロールなど何故こうなっているかを説明してくれます。その中でお客様側もようやく納得のいく選択ができるようになるのです。

 

これが経験の浅い設計士の場合はどうでしょうか?ある程度は勉強していれば説明もできるでしょうが、知識が浅いのでお客様からの想定外の質問に答えられなかったり、自信をもって自分の提案しているものがお客様にとって良いものだといいきれない場合があります。

 

これではお客様も納得のいく選択がしづらく、良い計画にたどり着くまでに時間がかかってしまう、もしくは出会えない場合も出てきます。実際の生活を想定した、トータル提案が打ち合わせの中で十分にできるかどうかが大切であり、この部分が経験値に大きく左右されるのです。

 

営業マンと設計士の違いのまとめ

 

これまでの内容を踏まえて営業と設計の書く間取りの違いをまとめると以下のようになります。

 

営業マンの書く間取りの傾向

  • 良くある普通の提案になりがち
  • 突っ込み所が少なくそつが無い
  • コスト的には抑えた間取りになる
  • 細かい提案が不足気味

 

設計士の書く間取りの傾向

  • 設計士ならではの個人色を出す
  • 営業マンの間取りと比較するとコストが高くなりがち
  • 生活に即した提案がある
  • デザイン、構造、動線など総合的にバランスの取れた間取りになる

 

以上のようなことを頭に置いて、提案を受ける最初の段階で誰が間取り図を書くのかメーカーに聞いておくと良いでしょう。やはりプランニングについては設計士が専門なので、出来れば設計士に作成してもらいましょう。

 

もちろん設計士によっても実力には個人差があるでしょうが、一般的に考えて営業マンよりは良い間取りが期待できます。

 



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