最近ではメジャーとなったメーターモジュールですが果たしてそのメリットとデメリットは何でしょうか?ハウスメーカーによってはメーターモジュールと尺(910mm)モジュールどちらの商品も持っているメーカーもありますしメーターモジュールだけというメーカーも存在します。
ここではメーターモジュールと910モジュールそれぞれどのようなメリットデメリットがあるか、その特徴を解説していきます。どちらが良いか迷っている方が読んでも、どちらでも良い方が読んでも新しい発見があるのではないでしょうか?
そもそもメーターと910mmのモジュールとは何でしょうか?設計の手法として1スパンを1000mmとするメーターモジュールと 1スパンを910mmとする尺モジュールがあるのです。
メーターの場合は1スパンが1mですので設計図の寸法を確認すると500とか2000とか5500とかとにかくキリのよい寸法が並んでいることがわかります。設計は1000mmが基本的な寸法として0.5スパン(500mm)または0.25スパン(250mm)を使って図面を作っているのです。
910mmの場合は1スパンが910mm(尺)ですので設計図の寸法を確認すると910とか1820とか2710という寸法が使われていることがわかります。910mmが基本寸法ですのでこれの0.5スパン(455m)0.3スパン(333mm)等を使って図面を作っています。
どちらかが優れていると言うわけではありません。どちらにしてもそれぞれの良しあしがあると言うのが結論です。
メーターモジュールが最も力を発揮するのは、廊下、トイレ、お風呂、階段です。それぞれのが尺モジュールに比べるとゆとりのある設計が可能になります。
廊下や階段、トイレで幅が9cm違う事は、体感すれば分かりますがとてもゆとりに違いが出てきます。
一方リビングやダイニングではさほど違いがないのです。どういう事かというとメーターではLDKの横幅を3.5スパン3500mmで設計する所を、尺では4.0スパン3640mmで設計すればさして違いが出てきません。
基本的に幅1スパンで設計する部分で大きな違い出てくると言う事です。
一般的にはメーターモジュールは1.2倍広い設計が可能という表現をしているケースがありますが、それは間違いです。
どの様な家も全体を切りよく8×8スパンなどのきれいな形で設計できる事はないので、土地の形状や希望される家の大きさによって、7.5スパン×8.25スパンのように細かく調整するケースもあります。
というよりほぼ全ての物件がこのような形になるのです。
例えば同じ間取りの3LDKで100uの建物を考えてみれば、どちらの設計手法を使ったとしても細かくスパンを区切って設計すれば100uに近い設計は可能なのです。
メーターモジュールだから1.2倍大きな家になると言う考え方は間違っているのです。正確には尺モジュールで設計した全く同じスパンの間取りをメーターモジュールに直すと1.2倍おおきな家になるとうことです。
大体どのメーカーも【同じスパンで設計をした場合】という前提条件を省いているので尺と比較した時分かりにくい説明になっているのです。
どちらの設計手法を使ったとしても同じような間取り、同じような大きさの家は設計可能だということは上記の説明で分かることと思います。
さてでは同じような家を設計した場合はどちらが高くつくのでしょうか?このコスト面に関して同じではありません。これはメーターモジュールの家が広くなるから・・・という誤解を生む説明をしているサイトも多々見受けられます。
これは間違いです。本当の理由はメーターモジュールが一般的になったとは言えまだまだ尺モジュールが主流なためメーターモジュール用の建材が割高になっている為なのです。
具体的な例を挙げればどんな家にも使ってあるであろう石膏ボードやドアや階段などはメーター規格のものと尺(910)規格のものを比較すると出荷量が少ないメーター規格の建材が割高になることは容易に想像ができます。
このあたりがわかっていないプロの人も多く間違った説明が出回っています。そのため結論を言うと同じような広さ、家を建てた場合は尺モジュール(910モジュール)のほうが安く建てられるというわけです。
これまでの説明をまとめると設計方法で家が広くなったり、狭くなったりするわけではないことが理解できたでしょうか?
ただ同じような家の広さ、間取りで設計をメーターと尺でした場合、メーターでは廊下やトイレなどが広い分、リビングやダイニング等が少しせまくなりますし尺ではその逆の事になるのです。トイレや、廊下、階段の幅が基本的に9センチ広いという点が一番のメリットといえます。
またコスト面を考えると尺モジュールのほうが建材が割安な為、建築費も抑えることができるので、コスト面ではメーターモジュールのほうが割高になってしまう点がデメリットと言えそうです。