南側の家と、どれくらい離れていなたら日当たりが良いですか?
ここでは、こんなグレーな疑問に答えを出します。
一般的に間取りの提案を受ける時は土地の利用計画と合わせて説明をされるケースが多いのですが、その際に敷地に1階の間取りを配置してある図面、「配置図」を出されます。
一見すると敷地の中に駐車場も取れているし、庭も取れていそう・・・と思われる図面を見かけるのですが、少し注意深く見てみると庭が南側3m程度しかあいていない。といった図面を見受けるときがあります。
営業マンですらこの距離感が1階のリビングやダイニングの日当たりにどのように影響してくるのか判断できない人が殆どです。
さて、結局の所この庭が南側3mという配置条件は一般的に考えると良いのでしょうか?悪いのでしょうか?
この記事では、日当たりの良い家と悪い家のボーダーラインをお伝えします。
目次
1.太陽高度の基本
2.南側の庭と建物の日当たりの関係
2-1.吹き抜が無い家
2-2.吹き抜けがある家
3.まとめ
いきなりですが、結論から言うと、日当たりのボーダーラインは以下になります。
では、詳細に内容を確認していきます。
太陽高度はよく南中高度(一日の内で太陽が一番高い位置に来る時の高さ 基本的に正午)で比較されます。特に夏至、冬至、春分秋分を例に取り上げられ太陽の光の具合を見てみる事が一般的です。つまり下記のような感じです。
当然ですが太陽は刻一刻と昇り、沈んでいきます。南中高度も一瞬の時なのでそれまでの時間とそれからの時間もある程度考慮して日当たりを考える必要があります。例えば冬至の日の南中高度は約31°ですが、春分、秋分の日では朝の8時半、15時頃に当たります。また夏至の日では7時、16時頃に当たる太陽の高さです。
この時間帯も季節と併せて考える事で朝は何時から日が入りそうか、15時以降の日当たりがどうか,庭に広さ、南側の建物との離れ距離が適当かどうか判断つきやすくなるのです。
南側に建物がある場合、庭は何メールとる程度あれば適切なのかという答えの基準を表しています。南側の建物は境界線から約1m離して建築されている想定です。
(※一般的な切妻屋根、寄棟屋根で検討していますが、南側建物が片流れ屋根等屋根の高さが高い家の場合は日当たり確保の為の必要距離も変わってきます)
一番下の隣地の建物との距離が5m(庭4m)の想定の場合では冬至の時、南中高度でさえ1階の窓に日が入らない事が分かります。つまり一日を通して暗くなる可能性が高いのです。
また冬至の南中高度と春分、秋分の8時30分頃と15時15分頃は同じなので、5mの想定では8時30間では朝日が入らない、15時15分以降は日差しが入らない事と同じなのです。
朝の8時半まで朝日が入らないのは少し残念ですし、15時を過ぎたらもう暗い部屋になってしまう事も気になってしまいます。
続いて隣地の建物との距離が6m、7m場合でも同じように見てみると冬至の時、南中高度で窓から直射日光を取り入れる事が出来そうです。
年間を通して一日中真っ暗になる1階を作らない為には、南側に建つ建物よりもおおむね5m以上を離すことが理想的です。しかし首都圏、地方都市近郊ではこのように広い庭をとって建物を計画する事はほぼ出来ません。
その為、日当たりを確保するために吹き抜けを設ける、天窓を設置する、中庭を設ける、2階にLDKを計画する等の方法が有効になってきます。
南側の建物との距離が保てないけれど、1階にLDKを計画する場合は日当たりを確保するためにやはり吹き抜けが有効です。
上記の図で吹き抜けがどれだけ日差しを取り込む効果を発揮するかが分かります。冬至の時でも吹き抜けの窓を通じて部屋の奥まで日差しを届けてくれるのです。
2.5mの奥行きがある吹き抜をしっかりとることが出来れば南側の建物は最近で3m程度の距離まで迫っても日当たりの良い家が計画出来るかも知れません。
図解すると、これまで説明したとおりですが、実際は土地の形に大きく左右されるので、プランニングをしてみる事が一番大切です。もしかしたら、吹き抜けがないと全然ダメな敷地かもしれませんし、その逆もありますよね。
日当たりの良し悪しは、家の快適性や、家にいる時の気持ちよさを生涯左右する超が付く重要項目です。必ずしっかりと検討してみてくださいね。
日当たりの良い、悪い家を考える時に冬至の日の南中高度が良く使われますが、これにプラスして春分、秋分の日の朝8時半、昼15時15分頃が同じ日差しの高さになることを頭に置いて考えていくとより想像が付きやすくなってきます。
1階の部屋の日当たりの良し悪しを決める境目の距離は吹き抜けのある家と無い家でかなり変わってくるのですが、基本的には下記の条件がボーダーラインだと考え良いでしょう。
さらに、具体的に自分たちの家づくりで、日当たりの関係を確認する為に、実際に間取りの提案を受けてみると、
LDKがどの位置にきて、どの程度庭が取れるか、隣地との離れ具合は問題ないか?などが確認する事ができます。
間取り提案の依頼時に、「南側と3mあけて吹き抜け有」 という条件をつけて依頼することもできるので、
この記事の条件にすると、どのような間取りになるか分かります。日当たりの良い家を実現する為の具体的なヒントが得られますよ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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