庇の長さの最適解を見つける

近年の夏の暑さは、10、20年前と比べると非常に暑くなっていると感じませんか?一昔前と比べると日差しが強くなているので夏に日差しを遮る工夫は重要性を増してきました。

 

昔から存在する日除けの基本的な建物の仕組みが「庇(ひさし)」です。庇が長ければ日除けができる範囲が広がりますが、長すぎると冬の日当たりにも悪い影響がでる・・かもしれませんので丁度良い長さを検討しなければいけません。

 

その丁度良い庇の長さをここでズバリ教えます。

 

庇の長さを比較してみる

夏至の時の日除けと庇の関係

庇,長さ,軒

庇,長さ,軒

 

時間は10時〜15時までの間の太陽の高さを基準に、高さ2mの窓を想定し図示して比較しています。さてこの図をみると夏至の時は10時と言えども太陽の傾きは52°もある事がわかります!感覚的には空を見上げなければ見れない高さ。

 

 

かなり上の角度から日差しが落ちてくるので、少し庇があればある程度日除けをすることができるのですが、60cmの場合では日中絶えず直接日差しが入り込んできます。これでは日除けとしては少し物足りない長さですね。

 

 

もう少し伸ばして90cmあると一番太陽の高さが高い時は家の中に入り込みません。これくらいの長さがあると効果がありそうです。

 

 

さらに120cm程の庇を設けると10〜15時の時間帯ではほとんど直射日光が入ることがありません。これくらいあると夏の暑い時間帯に直射日光が入り込むことがほとんどないと言えそうです。

 

 

ただしこれだけ出幅が長い庇は柱が必要になってきますので、費用が高くなってきます。

 

 

さらに奥行を伸ばして150cmにした場合では日差しの強い時間帯の直射日光はほぼ100%遮ることができそうです。夏をとにかく快適に乗り切る家にしたい方は150cm程度あっても良いかもしれません。

 

 

冬至の時の日除けと庇の関係

庇,長さ,軒

庇,長さ,軒

 

時間帯の比較は夏至の時と同じく10時〜15時で比較しています。冬至は最も太陽が高い時でも32°程度しかなくかなり低い位置からしか日光が入らないことが分かります。

 

 

つまり少々庇が長くても冬の日光を遮ることは殆どないのです。仮に1.5m程度の庇が窓先についていたとしても部屋の奥2.4m以上は日光が入り込むことが分かります。

 

 

庇の役割は主に日除けの役割なのですが、1.5m程の長い庇でも冬場のポカポカな日差しは遮らないのです。つまり庇による冬場の影響は考える必要がないという事です。

効果的な庇の長さはこれ

前述の図を見てみると分かりますが、夏場の日差しの強い時間を検討した時、10時〜15時の間で日差しを遮ってくれる庇の長さとしては90cm以上を推奨しています。

 

また120cm程度の奥行きがあれば、夏の強い日差しをほぼ遮ることができるので、予算やスペース的に余裕のある方は120cmを検討してみると良いかもしれません。

 

また前述の通り庇が少々長くても冬場のに辺りに影響はほぼ出てきませんので、夏場の事だけ考えて庇の長さを検討すれば良いのです。

 

家のすべての窓に庇を付ける必要はありません。南側の窓だけで良いでしょうし、もっとポイントを絞るならLDKの大きな窓だけでも良いでしょう。

 

 

間取りのポイント

 

夏場の日差しを効果的に遮るためには90cm〜120cmの庇を設ける。

 

夏場の快適性を求める場合は150cm程度でもOK!!(冬場のに辺りには影響しない!)

 

如何だったでしょうか?効果的な庇を設けてで夏を快適に乗り切ってくださいね。

 

さらに、日除け、日当たりの良し悪しを決めるにはもう1つ重要な要素があります。それは南側に建つ建物との位置関係です。

 

南側の建物とどれくらい離れていれば、日当たりを確保できるのでしょうか?

 

こちらの記事を読むとその基準が分かります。是非その基準を理解して、後悔しない家の配置を確認してください。

 

日当たりの良い家と悪い家を決めるボーダーライン

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