
AIの登場で世の中様々な変化が起こっていますね。
住宅設計の業界も例外なくAIの登場で変化しています。
ですので、
AIに間取りをたくさん作って貰って、比較検討していったらいい間取りにたどり着くんじゃない?
素人でも間取りを無限に作成できるのでは・・?
なんて考える方もいらっしゃるかもしれませんね。
もちろん設計士である私たちも、これができれば提案するスピードや幅が変わってくるのでトライしたいと思っています。
この記事では設計実績300棟以上の引き渡し経験をもつ、一級建築士が、知識をフル回転させて実際にチャットGPT・Gemini を使って間取り生成、修正を繰り返した結果どんな間取りにたどり着くのかをお伝えしていきます。
この記事を最後まで確認いただくことで、AIのよる間取りが良いか、悪いか、白か黒か、はたまたグレーか・・ 理解できちゃいます。
とりあえず結論から行きましょう
結論:間取りの作成はできるが、使い物にはならない
チャットGPTとGeminiを使って、設計条件と基本的な要素を指示して間取りを作成してみましたが、今のところ(2025年)簡単な間取りでさえ満足に作れないといった結果になりました。
3LDKの平屋を作ろうとして
色々試してできた最終的な間取りはこちら


5〜6回、修正指示を繰り返して見ましたが、この辺りが限界かな・・というところで、あきらめました
間取りを作成するにあたり、いきなり土地条件を出して、間取りの指示を出しても難しいでしょうからまずは簡単な間取りを作成できるかどうかからスタートしていく事を考えました。
私が指示した最初にだした条件は次のような感じですよ。
あなたは設計士です。
次の条件を守って間取りを作ってみてください。
基本的な広さとサイズ
・3LDKの平屋
・LDK×1 3.5m×8m
・寝室×1 3.0m×3.5m
・ユニットバス×1 2.0m×2.0m
・洗面脱衣所×1 2.0m×2.0m
・子供部屋×2 3.0m×3.0m
・トイレ×1 3.0m×3.0m
・玄関ホール×1 2.0m×2.5m
簡単になるようにメーターモジュールサイズで指示をしました
最初に指示してできたGemini設計士の提案してきた間取りはこちら
・・
・・
トイレ多くね!?WW
色々ツッコミどころ満載ですが、チョット無理がありすぎるので修正の指示をして
待つこと1分・・・

LDKがどっか行った!というか謎の3LCKが大量発生!
トイレ無くなった!!WW
横幅780m!!WW
さらに右上に謎の中庭が出来上がり、迷走しだしたので、修正の指示をして
待つこと1分・・・
LDKが復活!
トイレも復活(2箇所)!
何語?中国語?WW
この後文字化けの修正を指示しましたが、治りませんでしたので、ここで終了です。
Gemini設計士のプランはとりあえずここまでにして Chat-GPT設計士のプランを見てみましょう
先ほどのこちら
はい、最初はスルーしましたが、
玄関開けたら、2秒でごはん!!
玄関開けたら、LDKをぶっ飛ばしてトイレとこんにちは!!
・・
・・
てか、
「ゆうつ」って何の部屋WWW
というわけで、Gemini設計士とChat-GPT設計士に頑張ってもらった結果はこちら
といったドラマ「変な家」を顔負けの、ヘンテコな間取りが爆誕しました。

プロンプトを試行錯誤しながら、改善を試みたものの限界があるという結果に終わりました。
正直、楽しむエンタメとしてはいいんですが、とてもじゃないけど参考にもならないプランが量産されて時間を無駄したなぁ、というのが正直な感想です。
外観もこれをベースには考えられないですし、そもそも住めないWW
今のところ、人が考えた方が、現実的で良いプランが出来上がることは明白だと言えそうです。

ではAIは間取り提案についてはこのままなのか?
それは私にはわかりません(笑)
しかし、個人的な意見を言えばおそらく、いい提案もできるようになる日も間近だと思っています。
だって、ほんの1〜2年前にはとりあえず指示したら、変とはいえ間取りをPCが勝手に出力するなんて考えられませんでした。
ほんとドラえもんの世界ですよね。さらにあと1〜2年したらもっと、現実的で精巧なプランが作れるようになっているのではないでしょうか?2027、28年あたりが楽しみですね。
いや、設計屋にとっては恐ろしい未来でもありますが・・だれでもプロ並みの提案が一瞬で手に入れられると思うとね
しかし、どれだけAIが発達しても、さすがに無理だろうって思う事が1つあるんですね。
それは、相手の(入力する人)の状況を把握して、こうしたらあなたの生活はもっと理想的なものになりますよっと言った、人の気持ちを汲んで一歩先の提案することです。
そう!AIはどこまでいってもAI、人の気持ちを汲み取るという高等技術は人にしかできません!
という訳で私たち建築士はAIにはきっと負けませんよ。この先も!
というわけで
きちんとした家を作っていきたい方は、今のところ建築士にきちんと提案してもらい、建築士と打ち合わせを繰り返しながら良いプランにしていくというこれまで通りの手法がよさそうですよ。

