道路が敷地に対してどの方位に接道しているかは非常に重要なポイントで、接道している方位次第で間取りも大きく変わってきます。
第二回は接道状況からみる家のゾーニングです。せっかく新築を考えるのに「日当たりが悪い家でいいよ!」という方はいません。ゾーニング次第で家の快適性が決まってくるといっても過言ではありません。
ゾーニングも最初のプランニングポイントなのでこれを失敗してしまうと、そのあと詳細な間取りを検討していっても一向に納得のいくものができない事態になります。逆にゾーニングが良い方向で考える事ができていれば、その後の詳細な間取り検討もすんなり進みます。
ゾーニングもある程度のセオリーが存在します。(ある程度というのはもちろんケースバイケースで必ずしもセオリー通り考えてしまうと、よい間取りができない場合もあるということです。)
しかし基本的なセオリーを押さえておけば敷地を見ただけで瞬時にその土地に最適なゾーニングが見えてきます。
以上が基本的なゾーニングのセオリーです。かなりざっくりした表現ですが、実際にこの程度頭に入れておけば十分使えます。実際に何も教えないまま新米の営業マンに間取りを考えさせたらめちゃくちゃな間取りを考えてきました。
10人を同時に研修させましたが10人ともへんてこなゾーニングで持ってきました。
つまり経験上基本的な事柄でさえ教えなければ分からないので、上記のあたり前のような内容もとても重要です。きっちり抑えておきましょう
さて2-1でのセオリーは本当に基本の「き」です。すべての土地に使えるわけではありません。そこで必要なのが経験値です。
100棟200棟設計してればどんな敷地に対してもわかってきますが、それは経験できないので重要なパターンを把握しておきます。
そのパターンを押さえておけば多少変化球の土地が来ても対応できるでしょう。
要望としてよくある車2台 4LDKの二階建てを想定して様々なパターンを間取り図集の実例を交えてお教えします。
非常に単純に考えると、日あたりを気にしなくてよい水回りは北側、LKDや和室は日あたりの良い南側に持ってきます。
・・・できました。(笑)
単純ですが、これがセオリーです。結局このような自然なゾーニングが無駄のない間取りを作り出し、コストパフォーマンスや快適性が良くなっていくのです。
これから一工夫していくことで「お!なるほど良いね!」という間取りに変化していきます。一工夫加える前段階で失敗すると、工夫しても大して良い間取りに変化していきません。(相当なアイデアが出てくれば別ですけどね!)
玄関が中央にある場合のオーソドックスゾーニングの一例です。玄関が中央にある為和室がLDKと離れていますが、
和室と玄関を入れ替えるパターンもよくありますね。
これも考え方は同じです。基本的には日あたりからゾーニングを決定させていますが、少し工夫していることはLDKの前が庭になるようにゾーニングを決めている点です。
LDKの南側の大きな窓の前にすぐ駐車場があると残念な感じがしませんか?それよりは庭のほうがいいですよね!景色もよくなりますし、BBQの時も便利です。
こちらも同じく日あたりから考える事で自然な無理のないゾーニングができます。玄関が南側ですが、ここは和室と入れ替えても良いでしょう。
多少玄関と駐車場が離れますが、その分和室が南側になり日当たりが良くなります。
間取りはよく考えていくと色々と良くなりますが、多くの場合は一長一短があるので優先順位を考えてゾーニングを決めていくことが大切です。