最近の住宅は軒の長さがどんどん短くなってきました。軒の役割は家を雨や汚れ、日射から守る事なのですがどれくらいあれば効果的な軒と言えるのでしょうか?
家の快適性を考える上では重要なことなのですが、軒の効果についてはハウスメーカーの営業や設計担当者でさえほとんど知識のない項目です。
ここではそんな当たり前のようについている「軒」について考えていきます。マイホームを考える上でハウスメーカーや工務店からわざわざ説明してくれる内容ではありません。
気づいたら軒の長さが決まっている事がほとんどでしょうから、自分でチェックしてその効果のほどを知りましょう。
全ての夏の期間の月日分を図にする事は無理ですので、夏至の日の特に太陽の日差しが強い時間帯(10時〜15時)を例にとって図示しています。
軒の長さは0cm〜120cmまで30cm刻みで比較しています。
さてまずは軒がゼロの場合と30cm程度の場合からチェックしてみると結果は同じですね。30cm程度の軒であれば日射遮蔽の効果はほぼ無い事が分かります。夏の日差しがダイレクトで家の中に入ってきます。
やはりダイレクトに入ってくると床面も暑くなってしまいますが、何より窓ガラスに直接日差しが当たっていますので「窓ガラス」が非常に高温になってしまいます。
高温になったガラスから熱が入ってきますので部屋も同様に高温になってしまいます。
軒の長さが60cm程度出てくると床面はまだダイレクトに日射が届いてしまいますが、「窓ガラス」は直射日光が当たらない影になる部分が上の方に出てきます。
直射日光が当たらなければその部分の窓ガラスは高温になりませんので軒が有効に働いていると言えそうです。
軒の出が90cm程になってくると10時〜15時の間でも窓ガラスの上半分は常に軒の陰になり直射日光が当たらないことが分かります。
床面も最大でも窓際80cm程度までしか直射日光は入ってきませんので、軒が90cm程出ていると日射遮蔽の効果がありそうです。
軒を120cm程度出すと10時〜15時までの日差しの強い時間帯全てで直射日光が防げることになります。ただし軒だけで120cm持ちだす事は基本的に不可能なので支える柱を追加する必要が出てきます。
120cm〜軒を出すと「軒下」と言うよりも屋根付の縁側と呼ばれる扱いになるでしょう。
広い敷地で自分の家に影を落とすような家が周辺に無い場合は120cm程度屋根のかかる縁側を作ると気持ちの良い夏場を過ごすことができそうです。
軒を出せは夏の日差しが遮られることは分かりますが、出しすぎると「冬場のあたたかな日差しも遮られるのでは??」と思いませんか?
結論から言うと、「軒が少々長くても冬場は問題ない」です。
冬場は太陽の高さが非常に低いので「上」では無くほぼ「横」から日差しが届いてきます。そのため軒が長くても暖かな日差しの邪魔になることはありません。
軒は長い方が夏場にとっても有効で、冬場に日差しの妨げになる事はないのです。是非冬場の事は気にせずに軒を出す検討をしみては如何でしょうか。
夏と冬の太陽の日差しと軒の関係は分かったでしょうか。予算や敷地に余裕があれば柱をたてて120cm程度の屋根がかかりを設けても良いかもしれませんが、費用対効果を考えると90cmが最も良さそうです。
軒の出の効果が出る長さは60cm〜となり夏場の日差しを効果的に遮るための軒の出は90cm
如何だったでしょうか?軒の出の考慮して快適な家づくりを進めて欲しいと思います。
さらに、日除け、日当たりの良し悪しを決めるには、もう1つ重要な要素があります。それは南側に建つ建物との位置関係です。
南側の建物とどれくらい離れていれば、日当たりを確保できるのでしょうか?
こちらの記事を読むとその基準が分かります。是非その基準を理解して、後悔しない家の配置を確認してください。