近年は建材費用も高くなり、人件費のUP、輸送費のUP、太陽光発電の普及、消費税のUP等々で家の価格が10年前と比較するとかなり高騰しています。
その為出来るだけ無駄な廊下のない家にしてその分、LDKや和室を広くしたい、収納を多く作るりたいといった要望が多く聞かれるようになりました。
そのような要望にお答えし、ここでは出来るだけ廊下が少なくなるような計画方法をお伝えします。(※冒頭でこのような説明をすると、廊下は無駄と勘違いしてしまうかもしれませんがそれは違います。廊下も色々な機能を持った間取りの一部ですのであしからず。)
実は廊下の少ない家はほぼ決まって玄関ホールとLDKが隣り合わせの計画になっています。
考えてみると意外にすぐ分かるのですが、サザエさんの家のような昔ながらの廊下が長い家は居間が玄関から遠い位置にあるのです。その為リビングにたどりつくために廊下が必要なので、必然的に長い廊下のある設計になってしまいます。
リビングやダイニングを通って和室にいく、洗面に行く、二階に行く事などは何も違和感はありませんが、逆だとおかしいですよね?和室を通らないとリビングに行けない、洗面を通らないとリビングに行けない…のような家は現在はほぼ存在しません。
玄関とリビングダイニングを隣り合わせにする。コレが1つのポイントになっています。
LDKを中心に接続させる=「LDKにいればどこでも行けるような間取り」にする。これにつきます。そうです、各場所に行くための廊下省くのです。
今回例にとっている間取りを見てもLDKから和室、階段、水回り、玄関、全てを接続させていることが分かります。こうすることで「純粋な廊下」は省くことができるのです。
要は階段や、水回りに行く「見えない廊下」をLDKに取り込んで兼用しているのです。
こちらも単純な考え方で、ポイントAと同じなのです。和室をリビングと離して独立した部屋とした場合は間に廊下が必要ですし、逆に隣接させた場合には間の廊下は必要ありません。
「完全な独立した部屋が必要だ!」という理由が無ければ隣接させることで廊下が必要なくなりますね。
和室を例にとりましたが、リビングと同フロアに寝室を計画する場合も同じです!
ここでは1階にLDK、2階に寝室、子供部屋がある場合を例にとっていますが、上階(下階)の廊下の長さはほぼ階段の位置で決まります。(1階に寝室、2階にLDKがある場合も同じ)
端っこに階段があれば廊下は長くなり、中央付近あれば廊下が少なくてすむ傾向があります。
必ずしも全ての間取りに当てはまるわけではありませんが、下記の図を参照してみるとなぜそのようになるか分かると思います。
階段が端っこにあると、逆の端っこの部屋まで廊下を伸ばさなくては行けません。しかし、家の中央付近にあることで各部屋へのアクセスは短くて済むのです。
また廊下のない分動線が短くなるので家事が楽になる、移動が楽になったりするのです。
基本的に空調が効かせない空間なので、冬場は特につらいですよね。しかし廊下が少ないのでそんなつらい思いも少しで済むのです。
廊下が無いので音やにおい、気配がダイレクトに隣接する部屋(主にLDK)に色々伝わってしまう。プライバシー性に劣ってしまいます。
この間取り例では、和室で休んでいてもLDKで過ごす人の声や、テレビの音や扉の隙間から漏れてくる照明の明るさが気になるかもしれません。
廊下の少ない間取りのポイント
以上のポイントに気をつけると廊下の少ない計画ができます。
ここではなるべく廊下の少なくなる計画方法を紹介していますが、実は廊下も重要な間取りの要素です。
廊下がある事で動線が良くなったり、部屋と部屋の間の音の軽減であったり、プライバシーの向上であったりとその役割は間取りによって様々です。
一概に廊下=不要では無いのであしからず!