早速ですが、上記はご提案した間取りです。
南北に短い土地だけど、日当たりが良い間取りは作れる?
こんな疑問を持つこともあるでしょう。
今回の設計のご依頼を頂いた内容は、南北に狭いく短い土地で、東西に長いのです。
南側には二階建ての住宅が建っており、日当たりがお世辞に良いとは思えない立地条件です。
そのような条件では日当たりを優先させる場合、代表的な設計方法は以下の3つの方法になります。
しかし今回は吹抜けは取りたくない、LDKは1階が良い等上記の方法は基本的に避けたいとのご相談でした。
そのため間取りで解決するしかないのです。ではどのような方法をとるか・・・住宅設計の考え方としては単純で
リビングをなるべく北側に寄せ、南側に大きな窓をとる方法です。
ではどうやって計画をしていくか、ご依頼を頂いた敷地ではリビングの南側5m程南側の隣地と距離をとることができれば、冬至の時もある程度は直射日光が取り込めそうでした。
逆説的に言うと少なくとも5mは確保する必要があり、5mを差し引くと北側残り6.5mで間取りを考える必要があります。
冬至の時に、直射日光が取り込めるかどうかで、検討していく
しかしこの地域は一種低層住居専用地域と言って、北側いっぱいまでは建物を寄せることが法律上難しい地域で、北側の境界から約1.5m程度の離隔距離が必要でした。
つまり差引5mで間取りを考える必要があるのです。リビングも奥行3.5m程度あれば一般的な広さは計画可能ですので多少横長の建物になるだろうと予測はできましたが、十分設計できると判断できます。
南北に狭い土地で、日当たりが悪い環境の土地をお考えの方は参考になるかと思います。
ご提案した間取りはダイニングの南側の日当たりはある程度犠牲にして、リビングだけを北側に寄せた設計にしています。
今回のように環境上厳しい条件のもとで設計をする場合は何かを犠牲にして、日当たりを優先させる等の取捨選択がとても重要になってきます。
建物全体を南北に短く、東西に長い建物にすることもできますが、構造的なデメリットやコストアップにつながるなど新たな短所も出てきます。
そのあたりのバランスは設計者の腕次第なのですが、譲れないこだわりがある場合は、優先順位をつける、取捨選択をすると言う考え方で計画をしていきましょう。
敷地の環境条件
南北に短く、南側に二階建ての建物があり日当たりが悪い土地である
優先順位
LDKは1階で日当たりを確保したい吹抜け等は必要ない。
設計ポイント
建物をある程度横長に設計、リビングはだけは日当たりが確保できる南側隣地からの距離を確保する。
デメリット
ダイニングの日当たりは妥協する。ある程度横長になり、凹凸のあ形状なるので多少のコストアップは覚悟する。
日当たりの悪い土地で間取りをご検討中の方の参考になれば幸いです。