間取りを考える時の具体的な手順

住まい,情報,基礎

間取りは簡単そうで非常に奥が深いものです。いざ自分で考え始めようとしても間取りは一体どこから考え始めれば良いかなかなか分からないものだと思います。いきなりリビングを考え出しても全体的にまとまりませんし、どこかで行き詰まってしまいます。

 

 

今までも「自分で間取りを作ってきました」と言うお客様はいらっしゃいましたが、やはりメチャクチャな状態で持ってこられます。部屋の大きさ等はメチャクチャでもよいのですが、玄関の位置やリビングやダイニング位置などはどう見ても不便な位置になっている・・・という事がほとんどです。

 

 

そこでここでは具体的な間取りを考える時の具体的な手順を解説していきます。私たちプロでも基本的な流れを把握して、手順を追って間取りを考えています。

 

 

手順をおって考えることで、まとまりのある間取りを計画する事ができるのです。土地の大きさもきちんと100分の1のサイズを準備できるとベストです。

 


専門的な間取りを作る必要はない

営業マンがお客様提案様に作成するにしても、一般の方が自分の家を考える時に作成するにしても、建築士が考えるような間取りを作り上げる必要はありません。

 

 

なぜならそこには高度な専門知識が沢山必要になってきますし、経験値も必要です。実務的な住宅の設計は、間取りを考えるだけではありません。専門的な部分も含めて間取りを考える事は設計士の仕事ですので、そこは任せてしまいましょう。

 

 

実務レベルでの進め方をご紹介すると以下のようになります。

 

 

建築するその土地には、様々な形状、条件をもっています。その条件を生かしながら、間取りや外観、駐車計画などを総合的に計画をしていく必要があります。もちろん法律も尊守しながらプランを考えていかなければなりません。

 

 

実際私が設計を手掛けるときは、外観、や駐車計画、ゾーニングの3項目は実際建築された時の仕上がりや施工に無理がないか、法律上問題がないか、等を頭に置きながら同時進行でプランニングを進めていきます。

 

 

具体的に内容が固まってきたら構造耐力上問題がないか、エアコンや給湯器などの屋外設備の設置はできるかなどより具体的な設計に
入っていきます。

 

 

以上のになるのですが、ここまで考える事は無理ですし何より楽しくありませんよね。建築士以外の方が楽しくよい間取りを考えるには多少おかしなところが合ってかまいませんし、それが普通です。

 

 

それでもいざ考え始めてみたけれど、実際どうすればよいか分からない方のために手順をご紹介しています。この具体的な手順に沿っていけば、土地の配置計画とあわせてまとまりのある間取りができあがります。

住宅の間取り・プランニングの基本的な作成手順

 

 

 

Step@: まずは全体の大まかな計画をする

@土地と道路の関係を確認する
土地に対して東西南北どこに道路が接続しているかを確認します。

 

A駐車計画を考える
車2台等必要な台数分の駐車場所を最初に決めておきます。

 

B必要な間数を検討する(○LDKとよく言われるあれです。)
当たり前のことですが必要な部屋数はいくつでしょうか?将来的なことを考慮する必要があります

 

C何階建てにするか
土地が広ければ平屋でも良いかもしれせん。狭ければ3階建てが良いかもしれません。

 

D1Fには何の部屋を配置するか検討する
LDK+和室?生活スタイルを将来を含めて考えておく。

 

E駐車計画と合わせて、1F全体のゾーニングを計画する
おおざっぱに○でここにリビング、ここにキッチンなどを考えて見る。特に駐車場と玄関位置を考慮する

 

F2Fがあれば2Fの3Fがあれば3Fのゾーニングもある程度計画する
階段の位置で2F、3Fの部屋の位置がおおむね決まって来るので、1Fを考える時の階段の位置が重要です。

 

StepA: 具体的な1Fの間取りを考える

G1F全体のゾーニングと玄関の位置、道路から玄関までのアプローチを確認する
まずは玄関と駐車場が近くなるように考えて見る。

 

H1FにLDKがあれば、LDKの具体的な大きさや、配置をプランニングする
玄関が決まったら、日当たりが良い場所にLDKを考えることが基本。

 

Iキッチンの位置を確認し、水回り(風呂や洗面脱衣)の位置を決定する
キッチンの位置が決まったらその近くに水廻りを固めてみる。難しければ離れていてもOK。

 

J1Fのトイレの位置を決める
お風呂や、洗面近くもしくは廊下やホールに配置をする。

 

K2Fへの階段の位置を検討する
階段の位置は2階の部屋配置に大きく影響します。2階が廊下が少ない間取りにしたい場合は1階の間取りの中央付近に持ってくることが重要

 

Lその他1Fに必要な部屋を配置してみる
和室や、寝室などを1階に配置する場合はこの段階で付け足し、場所を検討します。

 

M2Fを考える前にそれぞの配置や大きさの調整をする
この時点で1階の部屋配置は決まったので各部屋の大きさの調整をします。LKDを18畳にして、和室を6畳にする・・等々

 

N1Fがある程度きれいにプランニングできるまでG〜Mを繰り返す
部屋の大きさの調整などをして、もし駐車計画などが上手にできない等弊害が出てきた場合はそれぞれの位置を変更してみて再度考える。

 

StepB: 具体的な2Fの間取りを考える

O階段の位置を確認し各部屋の具体的な大きさや配置を考える
階段の位置で各部屋の位置はおおむね決まります。5畳にするのか、6畳にするのか等具体的な広さを検討していく

 

P2Fにトイレがある場合はトイレの位置を検討する
2Fのトイレ位置は1Fに配管スペースが必要です。配管スペースが無理なく取れる位置に2Fのトイレを考える必要があります。基本的には2Fトイレの下は配管スペースがとりやすい水廻りや、収納などが良いです。

 

Q吹抜けがある場合は吹抜けの位置も検討する
吹き抜けの位置はリビングやダイニングの上にとります。キッチンの上が吹き抜けだとおかしいですよね。

 

R大きさや位置の調整作業をする
2Fのゾーニングや具体的な広さが一通りできたら、家全体のデザインや広さを確認して各部屋を少し広くしたり、狭くしたり等をしてきれいな形に整えていきます。(実はこの作業が一番難しいのですが!)

 

S2Fもある程度整うまでO〜Qまで繰り返す

 

StepC:2F・3Fはこの繰り返しで考える

手順のまとめと事例

間取りの考えかたの手順は分かりましたでしょうか?やみくもに考えてもどこかに無理が出て良い計画はできません。しかし正しい順序で考えていくことで、まとまりのある美しい間取りや土地の利用計画ができあがってきます。

 

 

設計士が行うような専門的な部分まで踏み込むことは難しいかも知れませんが、この手順を踏まえて考えるだけで一般的な住宅営業マンよりも良い間取りが書けることでしょう。

 

 

さらに具体的な間取り図の書き方の例こちら↓↓から学んでください。

 

【プロ必見】見せた瞬間ファン化させ、契約率を20%UPさせる