総二階の家は何故安いのか、その合理的な理由を理解する

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よくお客様からの質問や営業マンからの質問で「もっとコストを落とすことはできませんかね〜?」と聞かれることがあります。こだわりを形にすると、どうしてもある程度凹凸のある間取りになってくるケースが多いのです。

 

しかし中にはこだわりはあまりないから費用重視、コストパフォーマンスの良い家がいい!と言う方もいらっしゃいます。間取り、外観にはこだわらないけれどコスパにこだわっていると言えます。

 

その為にはなるべくシンプルな形にしていく事が一番の近道です。良く言われる総二階が何故、コスパが優れているのか見ていきましょう。この記事を見れば一目瞭然スッキリすること間違いありません。

 

 

1.正方形vs長方形vsL型の家

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総二階とは1階部分と2階部分の外壁ラインがぴたり同じになっている建物の事です。一言で総二階と言っても色々な形が考えられます。上記の図は建物の形を簡単な図形にして表していますが、どれも同じ面積です。

 

一番左の正方形の形は面積は4、外周長は8、出隅と呼ばれる建物角は4カ所です。続いて真ん中の長方形の形は、面積4,外周長は10、出隅が4です。

 

さてお気づきでしょうか?同じ面積なのに外周長が2違っています。そうですこれは家にももちろん同じ事が言えるのですが、建物が長方形のように縦長、横長になると同じ面積なのに外周長が長くなるのです。つまり外壁を貼る面積が増える事になります。

 

さらに、一番右の図形のように形も横長でL型の形になると、面積4、外周長10、出隅が5となり、面積は同じなのに、正方形と比べると、外周が2、出隅が1多くなっているのです。

 

同じ面積の総二階でも、縦長、横長になり、形が複雑になればなるほどコストは高くなっていくのです。つまり、正方形に近い形状であればあるほどコストを落とすことが出来るのです。

 

2.総二階vs下屋がある家

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続いてなぜ総二階がコストパフォーマンスに優れているかを証明していきます。上記の図も家を簡単な図形に直したものです。左半分は総二階、右半分が一部が下屋(1階のみ)がある建物です。

 

面積は総二階8、一部下屋根6となり面積が4分の3になっていますが、実は外周長は4分の3になっていません。パーセンテージに直すと、面積が75%に減ったのに外周長は88%にしかなっていないのです。尚且つ出隅の数は8と同じなのです。

 

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さらにそれぞれの基礎と屋根を平面的に見た図を見てみるとどちらも同じ面積となってしまうのです。面積が75%に減ったとき全ての項目が同じように減ってくれればコストパフォーマンスは変わりませんが、そのようにならないのです。

 

逆説的に説明すると、一部下屋根の家を総二階にした場合は面積が25%増えたにもかかわらず、外周長が少し増えるだけでその他の項目は変化しないのでとてもお得に床面積を大きくすることが出来るのです。

 

この基本的な考え方が分かれば、総二階がいかに合理的な形をしているかが分かります。

 

ただしいくら下屋根部分の上に部屋を作ってもコスト的にあまり変わらないと言っても、玄関ポーチの為の屋根であったり、機能上必要な下屋根の上に無理矢理二階部分を作るとさすがにデザイン的にもおかしくなるので、そのバランスは設計士さんとよく相談して決める必要があります。

 

3.総二階のコストに関するまとめ

総二階の家は一般的に安いと表現されることがあります。間違ってはいないのですが、コスト的に一番合理的な建物だと表現すべきかもしれませんね。

 

総二階でも形が複雑になれば、外周長や出隅が増えるので外壁を貼る面積や、コーナー処理が多くなりコスト高になります。なるべく正方形に近い形にすることでコストを最小限に近づける事ができるのです。

 

また下屋があっても、もちろん良いのですが、コストパフォーマンス重視で広い家が良いと言う方には、思い切って総二階にしても良いかもしれません。コストは上がりますが、内装の費用と外壁を貼る面積が多少あがると言った感覚なのです。

 

繰り返しになりますが、コストを抑え広い家にする為には

  • 家の形を正方形に近い形にする
  • 大きな下屋根部分はなくす

以上の2点に注目していくと良いでしょう。


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