自由設計は自由じゃ無い?注文住宅とは違うの?
よっしゃ!家を買うぞ!と決めたあなたは、きっと次のワードを聞いたことがあるはずです。
そう『注文住宅、自由設計』。何となく言いたいことは分かるけど、イマイチ分からないですよね?
ココでは、そんなグレーな話をスッキリさせて頂きます。
スッキリすれば、この謳(うた)い文句に惑わされる事も無くなります。
最初っからアレですが・・・自由設計という言葉は・・
残念ながら定義なんてないんですよ(笑)
誰が使い始めたか、自由設計と注文住宅。簡単に説明するとハウスメーカー・工務店側のただの売り文句です。
明確な定義なんてないんですよ。ぶっちゃけ。
ただ、それでは何の解決もしないでしょうから説明していきます。
まずここでいう自由設計は概ね「間取り」の事を指しています。本来、設計とはデザイン、設備、構造、照明等全てをひっくるめて設計と呼ぶのです。
つまり、構造から、木造か、鉄骨か、コンクリートか、屋根や外壁、フローリグ等も世の中にある商品すべてを駆使して、本当に自由に設計、建築したければ設計事務所に頼むと良い訳で、これは誰も疑いなく自由設計と呼ぶのですが、
ハウスメーカーや工務店が使う売り文句の「自由設計」は「間取りが自由に決めることができる」と理解しておきましょう。
さて、これを頭においてうえで、どのハウスメーカーも自由設計を売りにしています。
では本当に自由に間取りを決めることができるのか?と言われれば、残念ながらこの答えもNOです。
木造であれ、鉄骨であれ、できる空間に限界があります。強度的な面から一定の制限があるんですね。
ついでに言うと、強度的な限界だけでなくコスト的な面からも、これ以上広い空間は当社ではNGです みたいなメーカー独自の制限も有ります。
ですので、イケてるカフェの雑誌をもっていって「こんな感じのおシャンティな天井がバカ高い空間が作りたいんです」っと言っても「無理ですね」と無慈悲な一言がかえってきておしまいかもしれません。でも自由設計という売り文句でセールスしてきます。
「間取り自由」って言ったじゃん
と言う声が聞こえてきましたが、
ハウスメーカーや工務店の言う自由設計は別に嘘ではなく、(ある程度の制限のある中での)自由 と言えるんですね。
どこまで自由かは残念ながら言葉一つでは現せないですし、決まったルールもありません。さじ加減です(笑)
以上2点を理解できていればOKかと
続いて注文住宅です。
これも先ほどの自由設計と同じく、定義など存在しません。(笑)
ですがこれは、「自由設計」という言葉と違い、少しはっきりとしています。
どういうことか?それは注文住宅と対象となる住宅があります。そうです、分譲住宅(建売)です。
簡単に言うと 注文住宅は、選べる範囲は有れど、自分たちでコレにしよう、アレにしようと決めていく事で完成する住宅です。ハウスメーカーや工務店、設計事務所と打合せしながら進めるタイプはこれ。
一方で分譲住宅は基本的に出来上がっています。注文する余地などほとんどありません。カーテンや棚を追加したりと、後からできることを追加変更出来る程度です。
注文住宅と自由設計はとても似ている言葉ですので、惑わされそうですが、以下のようにイメージしておけば間違い有りません。
これで、自由設計、注文住宅の意味合いが分かってきたのではないかと思います。
ちなみに自由度の度合いは一般的には次のようになります。
設計事務所 > 工務店 > ハウスメーカー
設計事務所特に決まった商品を持っておらず、文字通り構造体の選択からスタートでき、屋根や外壁、内装に至るまで、使えるものは何でも使うことができます。工務店やハウスメーカーには出来ないようなデザイン・設計力で住宅を設計してくれます。
工務店は、その工務店が得意とする家が決まっている事が一般的です。主な例として木造軸組み工法の自然素材を活かした家 等がよく見られます。外装や内装はもちろん自由ですが、おすすめされる仕様、商品は概ね決まっている事が多いです。ただ、絶対にその仕様でないとダメだ!なんて決まりはなく柔軟に対応してくれる場合がほとんどですね。
ハウスメーカーは、複数の商品を持っている事が普通で、まずは商品を選ぶところからスタートします。さらにその商品の中には、選択できる外装や内装、設備までが決まっており、そこから自分の気に入ったモノを選択し家を完成させていくスタイルです。
設計事務所とはまさに対象的な家の作り方ですよね。
工務店が設計事務所と、ハウスメーカーの中間位の自由と考えればいいかもしれません。
如何だったでしょか?
これまで説明したように、分譲住宅・建売住宅 以外の一戸建てをハウスメーカーや工務店、設計事務所で建築する場合は、
自由の程度はそれぞれ違うけれども全て自由設計、注文住宅のおうちなんですね。