将来建つ建物の予測

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土地を検討する時に南側に大きな道路があれば日あたりは心配する必要はないでしょうし、新規分譲地であれば周辺も住宅が建つことが容易に予測できます。

 

 

しかし新規分譲地以外の土地を購入する場合はどうでしょうか?隣接地に将来的にどんな建物が建つか気になることはないでしょうか?実は不動産屋が出している土地資料にどのような建物が建つ地域かが記載してあります。

 

 

しかし不動産屋のその資料に難しい法律用語並んでおり結局どんな建物が建つ可能性があるのかまるでわかりません。素人にはあまりにもわかりにくい内容です。

 

 

ここでは一般の方でもある程度予測できるように少し難しい不動産用語を解説しています。ぜひ検討中の土地がどのような建物が建つ地域なのか把握して納得のいく土地選びをしましょう。

 

 

1.都市計画区域・用途地域の解説

不動産業者の土地資料には「都市計画区域内・区域外」「用途地域」と記載してある項目があります。これをみると実は周辺にどのような建物が建てることができるかがわかります。

 

 

都市計画区域内とは一般的な感覚の解釈で説明すると街中です。区域外とは語弊はありますがいわゆる田舎・農村にあたる地域です。

 

 

都市計画区域外に田んぼをつぶして家を建てている場合などは、自身の土地も広いでしょうが、隣地の方が建てる場合も土地が広いでしょうから、南側に大きな建物を建てて困る、、、と言う事はまずないでしょう。

 

しかし都市計画区域内の場合は、隣にどの様な建物が建つか、また建て替わるかわかりません。

 

実は用途地域と言って行政の方で、ここは住居系の地域、ここは商業系の地域、ここは工業系の地域と言った具合にある程度分かれていて、それぞれ建てて良い建物と建ててはいけない建物が決まっているのです。(住宅設計をメインにサイトを作成しているので、あくまで住宅を建てる場合の目線で書かさせてい頂いています。)

 

 

さて、住居系の地域に建てる場合は基本的にはその土地に住んで生活をする上で、不快に感じる建物(風俗店・ゴミ処理施設etc)が周りに建つ心配はありません。土地選びの際もその点に関しては安心して良いでしょう。

 

 

また商業系の地域に建てる場合は、コンビニや商店が建つ可能性もありますし、場合によってはオフィスビルも建ちますので、「落ち着いた住環境」にはならないかもしれません。

 

 

商業系地域は一般的にはスーパーや駅が近いなどの生活は便利にな地域と言えます。※ただし土地の値段も高いケースが多いですが。

 

 

工業系の地域は住宅を建てるには最も不向きな土地と言えます。はっきり言って周りに何でも建ってしまう可能性があります。

 

 

汚水処理施設や、ゴミ処理施設、風俗店、パチンコ店など生活していくうえではやはり好ましくない建物も建つ可能性がありますので、何かしら大きな利点がないと住宅を建てるのは少しためらってしまう地域です。

 

 

また都市計画の区域内でも、用途地域が決まっていない場所も多々あります。その場合は何が建つか分かりませんが、一般的にはその周囲の街並みにあった建物しか建たないイメージで差し支えないように思います。

 

2.将来的に建つ建物の高さの予測

用途地域によってどのようなものが建つ可能性があるかがわかるのですが、将来隣地に建つかもしれたい建物の高さはどのように判断すればよいでしょうか?もし南側に背の高いビルやマンションが建ってしまったら急激に日あたりが悪くなってしまいますよね。

 

 

戸建て住宅ならいざ知らず、マンションが建ってしまったら、40年〜なくなることはありませんので、基本的にずっと日あたりが悪い状態になってしまいます。

 

 

一種低層・二種低層住居専用地域では背の高い建物が建つ事はまずありません。それは法律で高い建物が建てられないように規制してあるからです。

 

 

特に住居系の地域は良好な住環境を保つ為の法律です。しかし住居系の地域の中にもマンション等が建てられるように一種・二種中高層専用地域などの地域では背の高い建物も建つ可能性があります。

 

 

周辺に高い建物が建つ可能性がないのは、前述の一種低層・二種低層住居専用地域のみです。その他の地域では場合によっては、隣地に背の高い建物が建つ可能性を考えておく必要があるのです。

 

 

ここまでは一般的な法律の内容を述べましたが、実際にはマンション等が建つ立地条件はある程度決まっていますし、たとえ低層住居系の地域でなくても周辺環境を見れば、高い建物が建つか、建たないかは大体予想がつくものです。

 

 

立地条件だけでなく、もし周辺にまとまった土地がそこになければやはりマンションは難しいでしょう。しかし南側に畑や、駐車場といったまとまった空き地がある場合は要注意です。

 

 

一、二年先には何もないかもしれませんが、五、六年先は急にマンションが建ってしまうかもしれません。もちろんどうなるか誰もわかりませんが、利便性がよくて、南側にまとまった空き地がある場合はよく考えて土地を検討すべきです。

 

3.総合判断とまとめ

法律上の規制では用途地域によって、建てることができる建物は決まっていること、高さの規制も一種、二種低層住居専用地域では特に厳しいことが分かったと思います。

 

 

結局、周辺に建つ建物を考えたとき「どこに気を付けて土地を考えるか?」というポイントを取り出すと以下のようにまとめられるので参考にしてください。

 

  • 一種二種低層住居専用地域では気にする項目は無い
  • 商業系の土地の場合は現状気になる周辺環境でなければ良い(利便性などを重視される方)
  • 工業系の土地の場合は住環境的に好ましくない建物が将来的に建つことも覚悟が必要
  • 低層住居専用地域以外の土地の場合は南側にまとまった空き地があれば将来的にマンションなどが建ちそうにないかよく検討しておく

 

以上の4つのポイントを頭の片隅に置いて土地のことを考えてみましょう。