吹き抜けの知ってるようで知らないメリットとデメリット

吹抜け,メリットデメリット

 

吹抜けって実際どうか?もし「吹抜けをとろう!」と心に決めているならばチョットまって!まずは吹き抜けのメリットと、どこに気を付けるべきかを簡潔にまとめていきます。

 

この記事ではそんな生活感溢れるリアルな話をお伝えしています。

 

住宅展示場にいくと吹抜けって、大体あるんですよね。広く感じるし、戸建なら実現できる空間なので憧れがある人が多いです。

 

だってマンションだと基本ワンフロアなので,できないし。でもね・・・と言う話。

 

 


1.そもそも吹抜けにするべき?家のボリュームとコストの関係

建蔽率の画像

家の建坪が30坪〜40坪の2階建の家を考えたとき吹抜の占める割合ってどうなっていくのでしょうか?

 

 

良く考えてみましょう。下記の2つの家は外からみたボリュームは全く同じ(家の外周ラインが同じ)なのに、吹抜けがある、なしで床面積が異なってきます。吹抜けがある状態で36坪の家ですが、吹抜けをとると約2坪強減って34坪まで小さくなります。

 

吹抜け,メリットデメリット

 

 

上記は34,36坪の間取りで説明しましたが、

 

もし30坪位のコンパクトな家を望まれているのに吹抜けも取ろうとすると、それは結局32坪〜(吹抜けを2坪程度とった場合の想定で)の家を建てる事と同じです。

 

 

吹抜けをとればその部分は床を作らなくて済むので、若干は安くなりますが、吹抜けは家の中に足場を組み立てないと吹抜けの工事ができないのでその足場代がかかる為、結局トントン位になるケースがほとんどです。

 

 

しかし、関連する部分も考えた場合後述してますが、吹抜けにすることでエアコンの容量を大きくする、シーリングファンが必要なプラスの設備コストも考えなくてはいけません。

 

 

費用的な話をすると 32坪吹抜け無の家 ≒ 30坪吹抜け有の家 なのです。

 

 

コストを抑えて広い家を造りたい方には吹抜けは不向きなことが分かります。

 


2.吹抜けのバリエーションは基本的に2パターン

吹き抜けは間取り集などを見ると分かりますが、大きく分けると2パターン存在しています。

 

吹抜け,メリットデメリット

 

■2階廊下、ホールとはつながっていない(壁で仕切られている)
■2階廊下、ホールとつながっている

 

開放感、おしゃれ感は2階とつながってる方がもちろん〇ですが、エアコンの効率や、音の問題等の付いては圧倒的に×になります。どちらのパターンが良いか特徴をよくつかむ必要があります。

 

 

3.吹抜けとったらその効果を吟味してみる(メリット)

おしゃれで解放的な非日常空間

吹抜けをとりたい方の一番多い理由は「おしゃれ、憧れ」です。続いて「広く見える」となっています。

 

 

みんなネットの画像や住宅展示場を見て「いいなー・・コレ」と感じるので、よし我が家にも採用しようかいな!なります。

 

 

ホテルやデパートでもないのに「吹抜け」という贅沢な空間があるのです。目線が抜ける、天井が高いというマンションには決してまねできない開放感、おしゃれな感覚が魅力です。

 

 

天井が高いと言うことは実際の床面積以上に広く感じます。

 

 

同じ8畳のリビングと吹き抜けのある8畳のリビングでは全く目線の届く距離が違うため広く感じます。この目線が届く距離と、天井が迫ってない、圧迫感が無いことが広さを感じる要素でもあります。

 

 

場合によっては家全体が快適!?

上部の階とつながっている、下部の階とつながっているという事は設計次第、設備の設置の仕方次第では、空調の空間範囲が広がるので快適に過ごせる可能性が出てきます。

 

 

どういう事かというと例えば一階のリビングにエアコンを設置してリビングとニ階のホールや廊下がつながっている空間の場合、一台のエアコンでニ階の空間まで空調できてしまうと言う事です。

 

 

冬場であればニ階のホールや廊下も暖かい空間となっているので、家全体が快適な空間になっているという事です。家全体で温度差が少なければリビングにこもりっきりという事もなくなり、冬場でもより精力的に活動する事が出来ます。

 

 

※当然ですが広い空間を空調するので電気代が高くつ事や、暖まる・涼しくなるまでの時間はかかってしまいます。

 

部屋の奥までズバッと明るい

上部の階が吹き抜けているという事は、その窓から日差しが振り込んできます。しかもただの日差しではありません。部屋の奥まで明かりを届けてくれる明かりなのです。

 

 

地面に近い間取りよりも、高い位置についている窓からは部屋の奥まで届きます。また狭い敷地などで、窓が取りにくい場合などにも吹抜けをつくって部屋の奥まで明るくする手法は有効です。

 

 

特に狭小地で一階の窓だけでは直接日光が部屋の中に取り入れることができない場合は有効です。直射日光を吹き抜け窓を通して入れる事ができれば光は乱反射して部屋をいっそう明るくしてくれる効果があります。

 

 

子供の気配、何をしてるかを感じる

上部の階とつながっていますので、子供部屋が上の階にある場合などには子供の気配を感じる事が出来ます。もちろん子供部屋からも下の階の気配を感じる事が出来ると言う事です。

 

 

特に子供が小さいうちは、夜寝る時など親の気配を求める事もしばしば。近くに気配を感じることが出来るので小さな子供には安心感があります。

 

 

また、小学生位の男の子でしたら、自分の部屋に行っても中々寝ませんもんね。吹き抜けがあれば子供が寝たかどうかも何となく分かるでしょうし、もし寝ていなそうでしたら1階から大きな声で「もう寝んしゃい!」と一喝してあげることも出来ちゃいます。

 

 

家族のつながりというテーマの下でも今の例のように吹抜けは一役買ってくれる事でしょう。

 

4.吹き抜けのイマイチな点を目をそらさず見つめる(デメリット)

大きくとりすぎると構造的な弱点になる

構造的な話は眠たくなるので、「あたし、構造には興味ないの」という方は迷わず次に行きましょう。

 

さて本題です、家の構造は基本的に壁の強度は基本的に壁の量で評価されています。じつは床の構造的な役割は壁と同様に重要なのですが、評価に入っていません。(基本的な構造ルールはもちろん存在します)

 

 

変な吹抜けのとり方をしてしまうと床の構造的な役割が無くなってしまうので、大きな吹抜けが間取りにある場合は問題ないか設計者に問い合わせてみましょう。

 

 

冷暖房効率の低下と光熱費

誰もが思いつく内容ですね。空調する空間が増えるので、あたり前ですがその分エアコンの電気代が掛かることは誰もがピンとくる内容です。

 

 

メリットの面では廊下やホールも空調が効いて、冬場も快適という表現をしていますが、裏を返せばそれだけ余分に空調を効かす必要がある為、光熱費がかかる可能性があります。とうよりかかります。

 

 

冬の朝一番の寒い時間直にエアコンを入れても中々部屋が暖かくならないので、エアコンをフルパワーでまわして、暖かくなるまで鼻水がちょちょぎれながら朝の準備を進めないといけません。

 

 

エコな生活が大きなテーマであれば吹抜けは逆にデメリットに働いてしまいます。

 

エアコン、ファンの設置などのコストアップが必要

これ!意外に気がつきません。前述したようにエアコンの効率が落ちることは誰でもわかりますが、エアコンの容量を大きくしないといけないことまで気づく人は少ないんですよね。

 

 

本当は18畳用でいいのに24畳用のエアコンをつける・・なんてことになるのでエアコンのコストアップは避けられません。

 

 

おまけに冬場はあったかい空気がもれなく天井に上がってしまうので、シーリングファンで下向きに風をおこして戻してあげる必要が出てきますので、これまたシーリングファンを付ける為のコストアップは必至です。

 

 

2階とつながっている吹き抜けの場合はなおさらです。26畳用とか大きな容量のエアコンが必要です。

 

 

大きなエアコンは買い換えるときも同じサイズが必要になるのでヤマダ電機で「パパっ!エアコンって高いねー40万!??どうする?本当に買い換える?」という事も想定しておきましょう。

 

 

本当は2階を広くできる

吹抜けをとる人はこれを妥協して吹抜けを採用していると言う事ですね。

 

 

2坪からあれば大容量の納戸やウォークインクローゼットが造れるでしょうし、書斎も可能です。そんなものいいから吹抜け!を選択していると言う事になりますね。

 

 

本当は書斎が欲しかったけど、奥さんに押し切られ、涙ながらに吹き抜けにしてきたご主人も沢山見てきました。

 

 

まあ、奥さんがいるっ!!て言ったらいるんですからしょうが無いですよね。

 

 

吹抜けの窓は手入れが大変

これもみんなわかっています。ノビールハンドで掃除しても一番上までは届きません。窓の掃除はとても大変です。

 

 

そのため掃除ができないので吹き抜けの窓はよく汚れが目立ちにくい「曇りガラス」を採用したいと言われます。

 

 

がしかし、私なりの経験則をここで披露しますと、そもそも「手の届くはずの1階の窓を掃除してますか!?」と言う話。笑えますでしょ(笑)だいたい、これで笑いがとれます。

 

 

そうです、みなさん掃除できる1階の窓でさえ掃除してないのです。(笑)だったら吹き抜けの窓が掃除できようが、できまいが一緒なのでわ?と言う理論です。

 

 

なので、どうせ掃除しないんだったらガラスは透明の方が青い空は見えるし、白い雲は見えるし、目線が遠くに抜けて気持ちいいっすよ。

 

 

この説明をすると7〜8割型の人は透明ガラスを採用してくれます。そして約2割の方が笑ってくれます。まぶしい時はロールスリーン等を下さないといけないのは透明も曇りも一緒です。

 

音、気配が伝わりやすい

1階LDKの音、気配が2階に またその逆も同じですよね。

 

 

吹抜けと2階がつながっているパターンはこれが、ネックと言えばネックですね。特に夜勤とかで寝る時間帯が違う家族がいる場合は最悪です。

 

 

昼間寝たいのに眠れない、又はLDKで大きな音が出せない。ミキサーなどで大きな音の出る調理器具などが使えない、掃除機が使いにくいなど、なんとなくテレビの音だけにフォーカスされている傾向がありますが、

 

 

それ以外の音の出る、出したい生活シーンは山ほど存在します。

 

 

とにかく生活時間帯がズレている家族がいる場合は吹抜けで2階廊下とつながっているパターンの吹抜けは厳禁です!

 

 

また、子供が思春期を迎える時期となると、子供が嫌がる可能性もありますのでその点も要注意ですね。現在の状況だけでなく、将来的にその吹抜けはどうなのかをしっかり考えて選択しましょう。

 

5.メリット、デメリットのまとめ

さあやっときました、吹き抜けの効果のまとめです。ここまで来るのが長かったのはそれだけ色々な事を検討する必要があるということなのです。

 

吹抜けのメリット

  • 開放感が違う!戸建ならでわ!オシャレな非日常的な空間ができる。
  • 目線が抜ける、青い空、白い雲が見える!気持ちいい
  • 部屋の奥まで明るくできる(1階の窓の日当たりが悪そうな建物密集地ではとても効果的)

 

吹抜けのデメリット

  • 構造的な弱点になる場合がある
  • 冷暖房効率が悪い
  • エアコンの容量アップ、シーリングファンの設置などにコストがかかる
  • 本当は2階を広くできる
  • 窓の手入れができない(管理人はこの項目は正直気にしない派)
  • 音、気配が伝わりやすい。(生活時間帯がズレる、夜勤のあるご家庭は要注意)

 

このような項目を吟味して是非、実際に建築したときに後悔の無いようにして下さいね。

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