子供部屋の収納は必要かどうかを見極める

子供部屋,クローゼット,収納

注文住宅の新築戸建で子供部屋を考える場合は作り付けの収納(クローゼット)を計画する事が一般的です。ハウスメーカーの出している建て売り住宅でも子供部屋に当たる部屋には幅90p〜150p程度のクローゼットがある場合が大半です。

 

「子供部屋には作り付けの収納がある」この固定概念は捨ててしまいましょう。あれば入居後に収納を購入する必要はありませんし、部屋の一部なのでスッキリ見えるかも知れません。しかし収納がある事のデメリットについては誰も教えてくれません。

 

子供部屋には収納が無い方が案外スッキリ使えるケースもあるのです。それはどのようなケースでしょうか?ここではそんな子供部屋にクローゼットを設けるべきか、設けないべきか悩んでいる方にアドバイスをします。

 

 

1.子供部屋の一般的な作りを確認する

子供部屋はどのような広さでどのような家具を想像するでしょうか?どんな人も子供時代を過ごしています。兄弟と共有であったり一人部屋を与えてもらったり様々でしょうが、その部屋に置いて合った物、家具はみなほとんど同じだと思います。

 

ベッドに学習机、服の収納家具、押し入れ、本棚と一般的な家具、収納が頭に浮かぶのでは無いでしょうか?そしてそれは固定概念にもつながっているのです。

 

ドアが付いており広さが5〜6畳の独立した部屋で、上記のような家具が配置できる部屋が一般的な作りの子供部屋と言えます。

 

しかしライフスタイルが多様化しており、子供部屋の提案の方法も一つではありません。最初は大きな一部屋として使い、子供が成長した後に間仕切る事ができるようにする、極端に狭い部屋にする、収納ゾーンと寝る・勉強する等のゾーンを分ける等、様々です。

 

ライフスタイルに合わせて作り付けの収納についてもその必要性を考えるべきなのです。

 

2.作り付け収納(クローゼット)のメリットとデメリット

収納はあれば便利で、生活をする上では必要なもの・・という認識はもちろん正しいです。しかしそれが子供部屋となると少し話が変わってくるのです。どういう事でしょうか?

 

子供部屋は使う期間がかなり短い限定的な部屋なのです。子供が自分の部屋を本格的に使い始めるタイミング、成長して大学に進学する時期を考えて見るとすぐに分かります。

 

本格的に部屋を使い始めるのはご家庭それぞれでしょうが、小学生中学年頃〜が一般的の用です。つまり3年生(9歳)頃〜高校3年生(18歳)頃までなのです。

 

実に10年程度しか使われない部屋と言っても過言ではないでしょう。子供が進学をして部屋を出て行った後その部屋は一体どうなるのか?多くの家庭では物置に早変わりのようです(笑)

 

作り付けの収納がある子供部屋を物置のような使い方をしてしまうと、物置部屋の中にまた扉がついた収納がある・・・といった事になるのです。それが悪い訳ではありませんが、なんとなく不自然ですよね。

 

また部屋として使われている間のその収納は作り付けクローゼットなので部屋としてきれいに見えますし、収納として使いやすいです。しかしその収納扉の前には物が置けず、位置もずっと固定になるのでその部屋に対して家具のレイアウトの制限が出てきます。

 

収納位置固定での家具レイアウトの制限は部屋が狭いほど顕著に表れます。6畳〜8畳程度の広さの部屋であれば収納の位置が固定されていても、家具レイアウトはある程度自由になりますが、4.5畳〜5畳程度の部屋であればほぼ「家具のレイアウトはこれ以外無い!」と限定的になってきます。

 

模様替えをしようにもほとんどできない場合があることが作り付け収納の最大のデメリットです。しかし部屋の一部が収納として作られているので、きれいに見え扉を開けると天井まで収納として使えるので収納力がある点がメリットと言えます。

 

3.広さによる部屋の性質の違い

先ほども少し触れましたが、子供部屋は学習机、ベッド、クローゼットが一般的に必要な基本セットと言えます。このセットをレイアウトできる部屋の広さの最低限度は4.5畳です。つまり子供部屋は4.5畳以上は欲しいのです。

 

5畳程度の広さをとると基本セット+本棚が置ける程度の広さになり、6畳程度の広さをとると基本セット+テレビもレイアウト可能な程度の広さになります。

 

詳しくはこちら→子供部屋に最低限必要な広さとレイアウト

 

広さによる違いはこの基本セットをレイアウトしたときにどうか?という事です。4.5〜5畳程度の広さではこの基本セットのレイアウトはほぼ決まってきます。作り付け収納にしてしまうと模様替え不可と言えます。

 

6畳程度あると作り付け収納にしても家具レイアウトは変更可能ですので、模様替えの自由度は大きいのです。

 

つまり4.5畳から5畳の子供部屋の場合は、作り付け収納ではなく入居後に収納家具を買って後々移動できるようにして、レイアウトの自由度を高くしておいた方が良いかもしれません。個人的には子供部屋が5畳程の広さになる場合は作り付け収納をあえてオススメしていません。

 

作り付け収納があっても家具の配置パターンがいくつか考える事ができそうであれば、最初に計画しておいても良いでしょう。

 

4.子供部屋の収納まとめ

子供部屋はありきたりな部屋のようですが、色々な視点でみていくととても考える事が多い部屋ということが分かります。

 

作り付けの収納は収納力があり、きれいに仕上がりますが一度作ってしまうとその位置で固定される事がデメリットです。これを頭において以下の3点を頭に置いて収納(クローゼット)を計画するかどうかを決めるとより納得の子供部屋ができあがります。

 

子供部屋,クローゼット,収納

  • 部屋の一部として作られるため収納力がありきれいに仕上がる
  • 子供が大きくなり、部屋を使わなくなった時その後の部屋の使い方を考えておく
  • 4.5〜5畳程度の広さの場合は家具レイアウトの自由度がない

 

 

将来的に子供部屋を仕切るかどうか、悩んでいる方は次の記事を読むと悩みが解決するかもしれません
子供部屋の将来間仕切りの方法を徹底解説